《People's Republic of China / 中華人民共和国》

紹興太雕酒
撮影場所:浙江省紹興、「咸亨酒店」

紹興太雕酒
(古越龍山@沈永和酒廠)

「咸亨酒店」では、他ではめったに飲めない「紹興太雕酒」がのめる。甘めだが実にうまい!!専用の柄杓で、甕から紹興太雕酒をすくい、お椀に注いで出す(これは常温で飲む場合)。ここの紹興太雕酒は、陳年8年ものと、陳年10年ものがある。

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燗して飲む紹興酒

温度は、人肌より少し熱い程度。「これが一番ウマイ!」とは、地元の爺さん談。立ち上がる香りと深い味わいを、存分に味わえる。ほんと〜にウマい!

紹興酒:紹興酒とは「江南地域産のもち米と、鑒湖の水」で作られたもの、と定義されている。台湾で作られる「紹興酒」は厳密には紹興酒とは呼べない。紹興には約160ヶ所位の工場があるが、工場で作った老酒を「紹興酒」と冠することができるのは、10ヶ所程の工場(醸酒総公司→コクがある/東風酒廠→老酒を濾過するため軽い飲み口/沈永和酒廠→伝統的製法でつくられる、など)に限られている。

紹興酒の原料は、江南地域でつくられる「もち米」と「麦麹」。紹興市にある鑒湖(チェンフ)の水(湧き水)を用いて醸造される。鑒湖の水は有機分が少なく硬度が低い。柳蓼(血行促進、利尿効果、解熱にも効果がある)、陳皮、ニッケイ、甘草などの酒薬を混ぜ合わせ、麦麹菌で2ヶ月間ほど低温発酵させてから、濾過(圧搾)する。

出来上がったばかりの紹興酒は、甕に入れられる。甕の口には蓮の葉を直接覆って、素焼きの蓋をする。甕の口全体を覆うようにタケノコの皮で覆って、竹ヒゴで固く結ぶ。この上から籾殻を混ぜた粘土で固める。こうして約3年間以上貯蔵される。 アルコール度数は10〜17度程度。

紹興酒には、必須アミノ酸(旨味成分の一つ)が21種と豊富に含み、熟成が進むほど必須アミノ酸が増加し、旨味や熟成香が凝縮される。つまり甕に入ったまま紹興酒の方が数段美味いなので、瓶詰めの紹興酒は味が落ちる、そうだ。

紹興酒の甕、我が家で解体中
(沈永和)

「陳年紹興酒」とは、5年以上じっくり熟成させた紹興酒のこと。長く貯蔵することで、芳醇な味わいになる。出荷する紹興酒は、3年、5年、8年、10年、20年の単位。20年ものになると、風味・味ともに格段にまろやかになる。

よく見かける「紹興加飯酒」とは、元紅酒(1〜2年間熟成させた若酒)に、もち米やこうじを加えて作られる酒。通常の紹興酒より1割以上のもち米を使用するため、コクと香に富む。輸出用の紹興酒の大半は、加飯酒。

紹興酒は、フランスのワイン、日本の純米吟醸酒、とともに「世界三大美酒」と称されている。








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