《Canadas》

イヌイット(エスキモー)
撮影場所:(極北)ツクトヤクーツク Tuktoyaktuk

ゴム式パチンコで鳥を狙っていた子供

西洋人(白人)から「生肉を食べる人」という意味のエスキモーと呼ばれたイヌイット Inuit(人、という意味)は、寒冷ツンドラ地帯(シベリア東端〜グリーンランド東海岸)を居住地としている。

Tuktoyaktukは、先住民族の Karngmalit / Mackenzie Inuit 族のベルーガ鯨の捕鯨基地だった。先住民族は20世紀初頭、アメリカの漁師が持ち込んだインフルエンザが大流行して、住民は1/10に激減してしまう。その後、Alaska Dene族がこの地に移り住み、北極海〜マッケンジー河の交易会社 Hudson's Bay(1928年)の設立で白人が移住。現在、住民の95%がイヌイットだが、グリーンランドのイヌイットと異なり、混血はかなり進んでいる。石油・天然ガス開発/輸送業絡みで住む白人が、住民の5%を占める。

船の中には、鳥を撃つ猟銃が入っていた

言語はイヌイット語だが、カナダのイヌイットは、英語が堪能。宗教は、キリスト教モラビアンローマ・カトリック英国国教会系。かつては独自の伝統習慣に基づいた宗教をもっていた(らしい)が、北部ヨーロッパ諸国・アメリカやカナダによるキリスト教化政策で、キリスト教が根付き、独自の伝統習慣は薄れた。

1960年代以降、イヌイット居住地にある地下資源(油田や天然ガス)に目を付けた政府(カナダ、アメリカ、デンマークなど)は、イヌイットとの話し合いで、土地保全や制限付き自治権、包括的な援助を与える代わりに、掘削権を得た。結果、イヌイットの生活様式は貨幣経済に組み込まれ、定住者が多くなった。食生活も激変し、元来あり得なかった成人病患者が蔓延している。






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