《Republic of Yemen / al-Jumhuriya al-Yamaniya》

買い物する女性
撮影場所:マスカット、ムトラ

アバヤとヒジャーブで身体を覆うが…

色鮮やかな衣装の女性は、ベドウィン(遊牧民)

アバヤ(身体を覆う黒い布)の下は、鮮やかな色遣いの服を着ており、お洒落に気を遣っている。洗練された化粧、手足にはヘンナで染めた模様が施されている。

オマーンは、ほとんどがイスラーム教徒であるが、スンナ派からごく初期に分派したハワリージュ派から、中でも穏健派を中心に更に分派した「イバート派」が75%を占めている。

イバート派の女性は、スンナ派を信仰する女性ほど服装規定が厳しくなく、顔を出していることが多い。ヒジャーブも、多くの女性が、色柄のスカーフで代用している。

イバート派はマグレブ(北アフリカ)諸王朝の先住民であるベルベル人が信仰していたことから、サハラ交易の発展に伴い、オマーンにも伝わった。1056年におきたスンナ派とイバート派の紛争(アルモラビッド)で、マグレブではイバート派は殲滅したが、遠くオマーンでは残った。

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オマーンは、現カブース・ビンザイード国王(1940〜、在1970〜、離婚歴はあるが独身で子供無し)は、インドやパキスタンなどからの外国人労働者依存を脱却するため、「世界の半分は女性である」として女性の雇用を促進させた。女子の教育も男子の教育同様に重視されている。男女共学の学校もあるし、女子の大学進学率は、アラブ諸国の中では非常に高い。人材育成のための訓練校は、各地にある。

オマーンでは、1994年に首都圏で、1997年から全国で「女性の参政権」が認められている。1994年以降、女性議員も誕生。オランダ駐在大使は女性である(1999〜)。行政では、次官級ポストの女性登用もある。

部族社会の慣習が色濃く残るオマーンだが、格好こそは保守的なアバヤ姿だが、女性同士だけの買い物は当たり前のようにされ、教育を受けた女性の社会進出も盛んである。女性のタクシードライバーも多くいる。






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