《Republic of Yemen / al-Jumhuriya al-Yamaniya》

サィイド
撮影場所:サナア旧市街

右側がサィイド、左は普通のおっさん

預言者ムハマンドの直系子孫を《サィイド》と呼び、イスラーム法学者《カーディー》とともにイスラーム知識階級である。イエメンでは勿論、上流階級に属している。サィイドは、父方がサィイドなら息子は世襲する。イスラーム教徒から血筋を尊ばれる存在のため、イスラーム法学などの知識は豊富である。

サィイドもカーディーも、頭には「イマーマ」とよばれる白い布を、鉢巻き状に丁寧に巻き付けている(頭部全てを覆わない)。またほぼ必ず、「肩掛け布」を肩に掛けている。ティハマ産(紅海地方)のやや厚めの。刺繍付きの肩掛けか、インド産のカシミヤの肩掛けが人気らしい。外を歩く時は「サミール」と呼ばれる杖を持つ。

イスラーム法学者や預言者ムハマンドの子孫もJ型短剣ジャンビーアを差すが、この知識階級者は、先端のカーブが緩い《トゥーザ》と呼ばれるジャンビーアを差す。トゥーザは、写真のオッサンのように斜めに差すのが正しい。トゥーザはティハマ(紅海沿岸)地方で作られた、細やかな銀細工が施されている高級品が多い。値打ちものの銀細工はイエメン系ユダヤ人が加工している。

この4点が、知識階級者の“お決まりグッズ”である。






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