《Republic of Yemen / al-Jumhuriya al-Yamaniya》

ハドラマウト地方の男性
撮影場所:サユーン旧市街

でかい男が多い

男性は、マシャッダ(頭布)+マアワズ(筒状になっていない腰巻き)姿、またはコウフィーヤ(円筒型帽子)+フータ(筒状の腰巻き)姿。北イエメンのようなオバQ型ワンピース(ザンナ)+ジャンビーアを差す男性は皆無。

イエメン東部ハドラマウト地方に住む人々を《ハドラミー》という。ハドラミーは、古くからインドネシア〜マレーシア〜フィリピン南部との海上貿易で活躍しており、国際的な商売を行っている。現在はサウジアラビアや湾岸諸国とも、経済的な結びつきが強い。イエメンで一番、商才に長けている。

ハドラミーは同郷意識が強く相互に助け合うことが多い。一方で、他地域勢力に対しては非常に用心深く、警戒心も強い。外国人(特に欧米人)は熱烈歓迎という訳ではない。北イエメンとは大きく異なる。

ハドラミーは自分たちが住むハドラマウト地方では目立った商売はせず、イエメン以外の地で活躍する。そのためかハドラマウト地方に行くと、めだった産業はない。だが仕送りでつくられた「立派な家」が多く建ち並ぶ。

アルカイダの総帥オサマ・ビンラディン氏 Osama bin Ladin の父親ムハンマド・ビンラディン氏は、ハドラマウト地方出身の煉瓦職人だった。1930年代にサウジアラビアへ移住し、建設会社を興す。公共事業を受注し続けて大成功を収め、サウジアラビアの経済・産業界に君臨する財閥を作り上げた。今も語り継がれる立志伝中の人物。ハドラマウト地方には妹が住む家がある。

※「オサマ・ビンラディン氏はハドラマウトに匿われている」との噂もあり(2002年11月17日付:英紙サンデー・テレグラフ)。イエメン政府は、オサマ・ビンラディン氏の肖像写真などの販売を厳しく規制している。

サウジアラビアの有名財閥であるビンザグル、ビンマフフーズも創業者はハドラマウト地方の出身者。

でかい男が多い

コウフィーヤ(円筒型帽子)+フータ(筒状の腰巻き)姿

コウフィーヤは、つばのない円筒形・高さは10cm程度の帽子。イエメンのティハマ地方(紅海沿岸)、旧南イエメンでよく見かける。コウフィーヤは白いもの&織り模様のあるものが多い。

*

ハドラマウト地方では、

ハドラマウト地方は、大部分が砂漠で標高が低いゆえ、カートの栽培には不向きな地域である。カートを噛む習慣がなかったため、骨格がしっかりとした、でかい男性が多い(カートには食欲減退の弊害がある)。

ハドラマウト地方にカートの習慣をもたらしたのは、1990年のイエメン統一以降。北イエメンから移住してきた人が、カートの慣習をもたらした。だが多くの部族系男性は、今でもカートはやらない。

シバーム新市街にて





inserted by FC2 system