《 Republic of Lithuania 》

ユダヤ教カライ派の礼拝所:キエネサ
撮影場所:リトアニア、トラカイ Trakai

ユダヤ教カライ派の礼拝所を《キエネサ》と呼ぶ

カライ派教徒の家やカライ派宗教施設は窓の配置に特徴がある。即ち、通りに面した壁に並列に並べられた《3つの窓》がある。キエネサ(シナゴーク)は土足禁止。礼拝は床に座って行う。イスラエルを中心とする、一般的なユダヤ教徒とは、慣習・教義がかなり異なっている。

ユダヤ教カライ派(アナナイト)

ユダヤ教から分派した3つの派の一つ。
創始者は、アナン・ベン・ダビッド。「旧約聖書のみを信仰する」ことを説いた。リトアニアでは、主にカライメ族が信仰している。

ユダヤ教の主流派との違い:
●安息日の戒律→極めて厳しい
●食べ物の戒律→ほぼ同じだが、種類が異なる畜産物の肉と乳の組み合わせ(羊肉と牛乳など)はOK。
●イスラームの様式を取り入れているものもある→床に座って礼拝、など

カライ派は8世紀頃、バビロニア Babylonia (現イラク、チグリス・ユーフラテス川下流地方)で興る。10-11世紀にかけて、バビロニアとペルシア(現イラン)〜エジプトや北アフリカで盛んになり、エルサレム(現イスラエル)が精神的な中心地となる。1099年の第一次十字軍侵攻でエルサレムは壊滅状態になったため、中心地は、クリミア半島及び東欧に移った。

※1939年、ナチドイツ内務省は「カライ派をユダヤ人としない」と決定。ドイツからの迫害から免れる。

1948年のイスラエル建国後、イスラーム諸国は「ユダヤ教徒としてカライ派と主流派を同一視」したために迫害され、イスラエルやアメリカに移住し始めた。

※現在のカライ派の中心地は、イスラエル。他宗派とは異なるカライ派独自の宗教裁判所(ベットディン)を持つ。婚姻はカライ派内で行う傾向強し。

※カライ派の人口:イスラエル在住 15,000名、アメリカ(カルフォニア州沿岸に集中)在住 1,500名、トルコ(イスタンブールに集中)数百名、とのこと。








2001年8月撮影


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