《Brunei Darussalam》

マレー系(含その他の先住民族)68.0%、中華系15.0%、その他17.0%

水上家屋 Kampong Ayer
撮影場所:首都バンダル・スリ・ブガワン Bandar Seri Begawan

桟橋で結ばれた水上住宅

家と家は、路地(橋)で結ばれている。路地は細く、歩き慣れないとちょっと怖い。だが、この路地を自転車やバイクで行き交う人もいる。時にはこういう路地(橋)の下を、水上タクシー(モーターボート)が走り抜けるっつ〜か、暴走していく。

水路に立つ支柱は「木」だが、腐ったら交換する仕組み。近年、鉄筋コンクリート製も目立つが、コンクリート内の鉄がすぐに錆びるため、耐久年数は思ったほど高くない。

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どの家にも広々としたテラスがある

■水上住宅

マレー語で Kampong Ayer(Kampong=村、Ayer=水)、と呼ばれる水上住宅群が、ブルネイ川の河口近くの、首都バンダルスリブガワンにある。東洋のベニス・カンポンアイール、とか呼ばれている。

ブルネイの首都・は、広範囲に及ぶ水上住宅街があります。官公庁や宮殿を挟んで反対側、幅が100m近くあるブルネイ川の向こう側。ここに約3万人もの人が住んでいて(ブルネイの人口の1割強、ほとんどがブルネイ族)、世界最大の規模、とのこと。

素朴な木製の水上家屋は、海に打ち込んだ木の杭の上に作られている。家の壁は、住民の好みの色にペンキ塗装され、とてもカラフル。

内部は思いの外、広々としていて快適で清潔。テレビ(大画面だ!)は勿論、応接セットなどもあり、なかなか豪華。ほとんどの家に、水道、ガス、水洗トイレ、エアコン、冷蔵庫、ステレオ、プレステ、ビデオデッキ(DVDも)もある。床が大理石の家もあったりする。子供は家の下の海で遊ぶ。日常品は、小売人が小舟で売りにくる。

ただし家族以外の男女が、同じ部屋にいるのはタブーとなっているらしい(ブルネはイスラーム教国。かつては異教徒には認められていたアルコール類の販売も禁止されるようになった)。

政府は、水上住宅ではなく陸上の家屋(陸上の家屋は、土地は無料な上に家も格安で、ローンも簡単に組める)に移住させたいようだが、住民は口を揃えて「水上家屋での生活の方が快適」と言い、人気はない。そのため政府は、見栄えのいい水上家屋(建て売り住宅!)を建てて、こちらへの移住を図っている。

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水上住宅区域には、水上家屋式の学校や病院、警察があり、道(海に打ち込んだ木の杭の上に、木の板を敷いて作られている)は非常に入りくんでおり、端は陸上に建つモスクにもつながる。道の陸側は、駐車場となっており、最新型の日本車や欧州製の外車が停車している。持ち主は水上家屋の住民である。

水上住宅群の端にはマングローブの林が茂っている。ブルネイのマングローブ林は「世界有数の豊かさ」、と言われる。

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水上住宅群は、いくつもののブロックに分かれ、水上タクシー(モーターボート、ヤマハのエンジンが多い)が“足”となる。水上タクシーは、行き先毎に分かれているが、最初に乗り込んだ客が行き先を決める乗り合いタイプのものもある。

この水上タクシーは、競艇なみの速さ。爆音を炸裂させ、まさに水上暴走族といった感じ。特に朝夕の通勤時間には、高い水しぶきと爆音を上げて、ブルネイ川を横切っていく。

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