香港特別行政区

(客家圍屋)曽大屋
撮影場所:香港、沙田

手前は「砲楼」

敵が攻めてきた時、ここから攻撃を加えた。小さい窓はかつての「銃眼」。現在は快適に生活出来るよう、大きな窓に改造している

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3カ所ある入り口の左端

「曽大屋」は、石工を営んでいた曽貫萬一族の家として1850年頃につくられた。

「曽大屋」は、長さ100m、塀の高さは約10m。青煉瓦で壁でつくられている。防犯・防御などのために、1〜2階に窓はなく、専用の《銃眼》もある。3階の居住部分に窓があるが、これを非常時には《銃眼》として利用するため、窓は小さく細長い。

方楼の入り口は3カ所。香港の、大規模な圍屋の四隅は、楼閣(砲楼)になっていることが多いが、曽大屋も同様の造りになっている。

圍屋(外壁)の中には、整然と並ぶ、平屋の民家が配置されている。

現在は、防犯上の不安もなくなったことで圍屋(外壁)の住居は、快適に生活出来るよう、「銃眼」しかなかった2階部分を拡張して「窓」をつくっている。また圍屋の壁に大きな穴を空けて、各々の家が玄関をつくった

祖同(祖堂)ツウタン

中央の《大門》タアメンをくぐると門庁 マンティン があり、祖同(祖堂)ツウタン へと直線の通路で通じている。外へ通じる門は、3カ所のみ。

圍屋の中にある平屋(長屋式)の民家

通路の両端には専用の「井戸」が掘られている


▼行き方
九広鉄道の「沙田駅」下車




香港の客家圍屋

方形の巨大集合住宅。一辺の長さは60〜100m、塀の高さは約10m位のものが多い。強固な外壁は、一般的には青煉瓦か石積みでつくられている。圍屋の外壁は、防犯・防御などのために、やはり1〜2階に窓はないが、専用の《銃眼》もある。最上階の3部分は一般的には回廊となっており、ここには特に小さく細長い《銃眼》が沢山ある。

方楼の入り口はわずか1〜3カ所(一カ所の所が多い)。大規模な圍屋は、四隅が楼閣(砲楼)になっていることが多い。圍屋の外周部にも民家があるが、現在は快適に住めるように、銃眼を大きく空けて窓に改造。壁を一部壊して自宅専用の玄関をつくる家もある。

圍屋(外壁)の中の民居はほとんどが平屋で、30〜60棟が整然と配置されているのが一般的。1つの圍屋はそのまま要塞となり、1つの村を形成している。

上記の沙田の他に、元朗には、観光化されている《錦田吉慶圍》がある(寄付という名目の入場料を強要される)。17世紀終わりの建造物で、外壁はきちんと保存されているが、本来建てられていたハズの平屋が、今風の建築物(3階建以上)に建て替えられており、「古民居を見たい」観光客は、興さめする。《錦田吉慶圍》周辺には、外壁の保存は良くないが、生活感あふれる圍屋が何カ所かある。

また客家囲屋が集中しているのは、新界地区の龍躍頭 Lung Yeuk Tau(九広鉄路の粉嶺駅からバス)。龍躍頭の圍屋は、城壁のみの役目を果たすため、外周部分に民家がない場合もある。

香港には、客家出身が約70万〜100万人いる、らしい(香港の人口の1割)。香港の客家人の女性は、独特の日よけ姿が珍しい。








2001年3月撮影


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