《イラン・イスラーム共和国》

沈黙の塔 Dakme-ye Zartoshtiyan
撮影場所:ヤズド郊外

沈黙の塔 Dakme-ye Zartoshtiyan

ゾロアスター教徒がかつて行っていた《鳥葬》の場。ヤズド市街の南東の外れにある。遺体を鳥に食べてもらう埋葬法だが、近代は、鳥(ハゲ鷹)が来なくて《風葬》になることも少なくなかった、そうだ。

ゾロアスター教では、《火と水と土》を神聖なものと考えているため、これらを汚さないように、《鳥葬》で遺体を自然に還した。死者の近親者が、死者の遺体を鳥葬台(円筒)の上に放置すると、鳥(ハゲ鷹)が死肉を啄む。通常約3日目には遺体は食われる(処分される)。肉が食べ尽くされた(もしくは干涸らびた)あとの骨は、塔の穴に落ちるようになっている。

《鳥葬》の塔は、Dakme と呼ばれる(ペルシア語で、裁判、の意味)。これは男女別になっている。

1900年に鳥葬は法律で禁じられた。それでも密かに行っていたが、第二次世界大戦直後(パフラヴィ朝時代)に、《鳥葬》は厳格に禁止され、ゾロアスター教徒もムスリムと同じく《土葬》となった。

ゾロアスター教徒の集会場跡

祭事用の集会場。ゾロアスター教の葬式では、死後3日目・7日目・40日目、と儀式が行われる。


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