《 中華人民共和国 》

客家方楼:順源楼 ジュンユェンロウ
撮影場所:福建省永定県高頭郷

順源楼(通称・五角楼)
3階建て《内通廊式土楼》。

順源楼は、隣に大きな方楼、正面は川、背後は崖(山)という狭く変型した土地、更に斜面という条件の土地に、無理矢理たてかのような方楼。土地の形に合わせたため、と、風水を重視したため「五角形」の方楼になってしまった、らしい。

五角形の狭まった部分

土地の1/3は斜面になっているため、この部分にあたる1階は全体の2/3しかナイ《斜面方楼》。変型五角形の一番狭まった奥の部屋が「祖堂」になる(写真左の階段を上る)

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2階にある「祖堂」から1階にある「大門」を見る

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順源楼(通称:五角楼)の全景

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住居は、メゾネット式(2つ以上の階を垂直にまたがる集合住宅の様式)。

入口は《大門》タアメンといわれ、この大門をくぐると門庁 マンティン があり、祖同(祖堂)ツウタン へと直線の通路で通じている。順源楼(五角楼)の門は、1カ所のみ。

基盤には、水害から守るために《玉子石》が積まれている。壁の厚さは、通常下部で1.6m位、上部では60〜70 cm となっている。房(部屋)は、概ね、間口(前面の幅)が2.5〜3m、奥行きは3〜5m程度。
四隅の房が、構造上、広くなっている。
順源楼(五角楼)も部屋は長方形だが、祖堂を挟んで両側の部屋は、五角形になっていた。

1階はすべて厨房と食堂。2階は全て糧庫、3階が居室となっている。順源楼(五角楼)の「祖堂」は2階奥の狭まったところにある。

順源楼(五角楼)は《内通廊式土楼》で、2階以上の各部屋(各世帯)を横につなぐ、《走馬廊》と呼ばれる回廊を持つ。方楼の内周をぐるりと囲っていて、内側全体をひと目で見渡すことができる。

《走馬廊》ツオウマアラン を持つ円楼・方楼は、外壁のみ土のブロック(土台は石組)でつくられ、内部は杉材など木材100%でつくられる。隣家との壁は薄い木材なので、隣家からの音漏れがある。《内通廊式土楼》は、各世帯のプライバシーを重視するより、集団防衛(火事も含む)のための対処を重視している。

しかし土楼は、夏は涼しく、冬は温かい。夏は、ぶ厚い土壁が陽射しをさえぎり、冬は風と冷気をブロックする。雨期には、土壁が湿気を吸い取る。

▼行き方

「高頭郷」ガオトウ から徒歩圏内。
「高頭郷」までは、廈門またはからの“永定/下洋”行きのバスが「高頭郷」に止まることが多い。廈門またはからの“永定/下洋”行きのバスは、経由地(ルート)が色々あるので、事前に確認が必要。他、近隣の町からのミニバスなどの便も多い。








2001年3月撮影



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