《 中華人民共和国 》

明代様式のモスク《清真大寺》
撮影場所:山西省、大同

前門

省心楼と呼ばれるミナレット

写真右側の回廊には、事務所や集会所、手や足をあらう水場などがある

礼拝堂

正面中央に、聖地メッカ(麦加)を示すミフラーブがある


中国のイスラーム教徒の男性は《清真寺》、女性信者は、女性信者専用の《清真女寺》へ礼拝に行く。一日の礼拝は5回あるが、全ての礼拝をモスク《清真寺/清真女寺》で行う信者は少ない(礼拝はどこでやっても可のため)。

女性信者専用の《清真女寺》は《清真寺》の敷地内にあったり、少し離れたところにあったりする。《清真女寺》がない地域では、《清真寺》の礼拝所内をカーテンなどで仕切って使っている。

大同にも、近代的な建物の「清真女寺」がある。

※イスラームは、七世紀頃、西方から中国に伝わった。現在、回族、ウイグル族など10の「少数民族」の人々に信奉され、信者人口は推定約1,800万人とされる。現在、中国全土にモスクが3万余カ所あり、モスクに帰属する聖職者イマム(男性)、アホン(女性)は、推定4万余人いる。

■回族

回族は、イスラーム(伊斯蘭)を信仰するイスラーム教徒(穆斬林)で、少数民族に分類されている。

13世紀以降、中国に移住してきたトルコ系・アラブ系・イラン系のイスラームを信仰する者、及びその子孫を中核に、《漢族との雑婚が進んだ=混血》の結果、形成された民族集団。言語は漢族とほぼ同じ、外見も漢族とほぼ同じ。

漢族と異なるのは、宗教はイスラーム、特定の地域に集住せず、固有の言語を持たない、かつ特定の民族集団に属さない人々、だけ。漢族と回族の慣習、明確な違いは「豚肉を食べない/中国廟に行かない/棺を使っての埋葬は行わない(箱子は再利用する)/金曜日を安息日(主麻)にあてる」こと。

山西省大同の回族は、イスラームのスンナ派の一派の“ゲディム派”に属する。「内地回民」と呼ばれ、地理的にも漢民族文化を受け易い為か、顔立ちはほぼ漢族と同じ。

だが山西省西部の回族は、「西北回民」と呼ばれ、イスラームのスンナ派に属するが、18世紀頃に広まったイスラーム神秘主義派(蘇菲)の影響を受けている(特に貧困地帯@甘粛省東部〜寧夏回族自治区、青海省東部と北部、雲南省北部では、ジャフリー派/哲合忍耶が信仰されている)。

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