《People's Republic of China、Tibet

サキャ南寺
撮影場所:チベット自治区、サキャ《標高約4,100m》

チベット人の民家群
(サキャ南寺より撮影)

サキャ村は、「壁」の色が独特

サキャの民家の壁は、藍(金剛神を表す)をベースに、白(観音菩薩を表す)とエンジ色(文殊菩薩を表す)の縦縞が塗られている。これはサキャ派の村ならではのもの。

サキャ:チベット仏教の4大宗派のひとつ《サキャ派》の発祥地。1950年まではここにサキャ派の総本山があった。

サキャ寺は1073年、この地帯の豪族クン一族のクンチョク・ギャルポによって、トゥム河の北岸(写真の左側の外れ、山腹)に建立された(サキャ北寺)、サキャ派が誕生した。

13世紀には、元(モンゴル)から「元の皇帝の師」としてチベット全土の支配権(政教)を与えられ、庇護をうけて栄華を誇った。モンゴル文字を作ったパスパ師は、サキャ派の人物である。サキャ北寺は、大伽藍(108の建物。本堂や政庁など)に約3,000人の僧がいた(1950年のチベット動乱の時)。

1268年、トゥム河の南岸に《サキャ南寺》(ラカン・チェンモ)を建立。要塞のような厚さ2m以上にも及ぶ外壁を持つ寺院。このサキャ南寺だけは、現在まともに機能している。

1950年、中国共産党政権の人民軍がチベットに侵略すると、発祥の寺である《サキャ北寺》は徹底的に破壊され、サキャ派を率いる“活仏”のサキャ・ティズィン・リンポチェ師は、北インドのラジプールに亡命。この地に、サキャ寺を再興した。

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