《People's Republic of China / 中華人民共和国》

どこまでも続く、黄土高原の棚田
撮影場所:甘粛省、平涼郊外

(2002年5月撮影)

荒涼とした黄土高原

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家は田畑の下

民家は、田畑の下の土崖に「横穴」を掘ってつくった「靠崖式窰洞」が多い。だが近年、中国政府の近代化政策で「窰洞」ではなく、地上に立てた家に住むことを強要されつつある、という。

甘粛省の黄土高原は、平均海抜1200mほど。黄土層が堆積されている。樹木はほとんどなく、見事な棚田が果てしなく広がっている。主な農作物は「小麦」で、酪農は片手間にしか行われていない。

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麦の緑と、黄土高原の土のコントラストが見事

干魃の年は、麦の収穫も期待できない。財力のある家は、飼育する牛を生かすため、草を買い、翌年の田植え(牛が鋤をひく動労力)に備える。

家々には「水溜め」があり、これで通年使える飲料水を確保する。「水溜め」は、地中に竪穴を掘り、中を粘土で固める。この中に、冬、谷間に出来た「雪/結氷」を切り出して貯蔵する。春から夏は、氷を徐々に溶かすため、この中に乾燥させた羊や牛の糞+藁+土などを入れる。水は濾過すれば、美味しく飲める。

冬に雪が降らず、結氷もしなければ、彼らは生きていけない。

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