チェコ共和国
チェスカー・レプブリカ / Czech Republic

Karlovy Vary

http://www.karlovyvary.cz

チェコの3大温泉の1つで、中欧圏最大の温泉保養地
(チェコの3大温泉=マリアーンスケー、フランチシュコヴィ、カルロヴィバリ)
74歳のゲーテが17歳の地元娘に入れ込んぢゃって通い詰めたこともある、東欧の名湯♪

飲用の源泉
【源泉 No.2 Karla IV】無料


Karlovy Vary は、チェコ西部ボヘミア地方の温泉町で、チェコ最大規模の施設と湧出量を誇る温泉保養地として有名。 Karlovy Vary のドイツ語名は《Karlsbad》。Karlovy Vary 山塊から43〜73度の温泉が湧き出ている。

Karlovy Vary では、Lazne(温泉、温泉医療法に基づくリゾート)と呼ばれる最新の温泉医学と設備で、効果的な治療を行っている。深い谷間にあるこの温泉は、飲用・浴用両方に使うことができるが、温泉水を飲用する飲料療法も盛ん。

1522年より飲用による温泉治療が始まり、18世紀末、医師 David Becher が近代医学に基づいた飲用療法を提唱し、現在に至っている。

Karlovy Vary 温泉は、12の源泉からなり、それぞれに番号と名前が付けられている。源泉(温度と成分の違う温泉)は、いづれの源泉も 《コロナーダ》と呼ばれる飲泉施設内にあり、常時蛇口から流れている。

医師の処方箋を得た患者は、治療のために指定された温泉を、吸口のついた独特のカップに入れて飲む。湯治客以外の観光客は、好きな(味の)温泉を飲む。どの温泉も味はマズいので、散歩しながらチビチビ飲むことになる。運動(散歩)しながら薬(温泉)を飲む…というのがヨイらしい。

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■飲泉専用のコップ

吸口のついた、飲泉用の独特のカップ

一見、普通のカップ。だが取っ手の部分がストロー状になっていて、ここに口をつけて吸い上げて飲みます。土産物屋にはこの名物の温泉コップが売られていて、大きさによって異なるが1つ150 CZK 程度。

■Karlovy Vary 名物

《スパ・ワッフル=カルルス煎餅》
Karlovy Vary の鉱泉《カルルス泉》を結晶させて作った、カルルス泉塩 Karlsbader Salz(薬品、効能は消化剤)を加えて作ったウエハース。直径15cm程の薄いウエハースにクリームを挟んだもの。安くて結構おいしい。食感は炭酸煎餅。


《ベヘロフカ Becherovka 》
チェコ産の有名な薬草酒で、国民酒。近代医学に基づいた飲用療法を提唱した医師 David Becher が“胃薬”として作ったとされ、彼の名に因んで名付けられた酒。故に、《ベヘロフカ》は、Karlovy Vary の“第13番目の源泉”と言われてる。

ベヘロフカは、Karlovy Vary の鉱泉《カルルス泉》に、38種類の薬草を漬け込んだ“秘伝の酒”(製造方法は秘伝中の秘伝だったが近年判明し、類似品も販売されている)。甘い+ハーブ風味。アルコール度数は38度。500mlで150 CZK 程度。

◆歴史
14世紀、ローマ帝国皇帝カール4世が、狩りを楽しんでいる時に温泉の湧く谷を見つけ、温泉地として開発」というフィクション付きの Karlovy Vary 。実際には1370年、神聖ローマ帝国の町として歴史の表舞台に登場。この町は、王様《カレル》の名に由来して Karlovy Vary (カレル王の谷、という意味)と名がついたらしい。

1697〜98年頃には、ロシア皇帝ピョートル1世(1672-1725)が訪れている。ハプスブルグ家支配下時代(ボヘミア王国)には、負傷兵の治療のために使われました。18世紀には、《音楽家:モーツァルト、ベートーベン、リスト、(独)ブラームス、(独)シラー、(チェコ)ドヴォルジャークなど。文豪:(独)ゲーテ、(露)ツルゲーネフ、(露)トルストイ、(露)ゴーゴリなど。思想家:(独)マルクスなど。》といった著名な人物も足しげく療養に訪れていた。

1939年、ボヘミア・モラヴィア地方はドイツの保護領になり、1945年、第二次世界大戦後に《チェコ・スロバキア共和国》独立回復という経緯がある。第二次世界大戦終了まではドイツ人が多く住み、ドイツ・ナショナリズムの中心地でドイツ国境からも近いため、今でもドイツ人の往来も多い。


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