中華民國;臺灣
Chung-hua Min-kuo / Republic of China
北投
大衆温泉浴室「瀧乃湯」編
大屯山温泉区: 台北市北投区
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滝之湯、全景
1907年に建てられた公共浴場(現存する温泉施設では最古)。1923年4月、摂政宮裕仁親王(昭和天皇の皇太子時代名)が台灣を訪れた際、ここ北投温泉に立ち寄られた。旧日本陸軍の療養所だった瀧乃湯にも立ち寄られ、瀧乃湯正面玄関向かって右隅には、訪問を記念した石碑がある。
そんな瀧乃湯だが、日本が撤退したあと、台灣の高級官僚や企業家がいわゆる酒池肉林(贅沢三昧の酒宴、美女の接待・娼婦付きの女遊び)を引き継いだが、女遊びをした客は、帰宅後に奥さんなどにバレるのを恐れて、温泉には入らなかったらしい(温泉臭が付着するため)。
瀧乃湯、正面玄関
瀧乃湯は、日本統治時代に建てられた。築約100年、ほとんど増改築をしていないため、当時の家の様子がよくわかる。木造・平屋建て瓦葺きの純日本的建築。
少し高くなった玄関を入ると番台があるが、管理人は右側の部屋にいる。大きなプラスチックバケツや洗面器に湯道具を入れて出入りする、地元のおじちゃん、おばちゃん多数。日めくりカレンダーや、「浴資表」という題目の(料金および入浴心得)一覧があり、まさに日本の銭湯、である。
男湯・女湯・家族風呂(個人浴池)がある。湯代を払って女湯に入ると、2m位の廊下があり、靴をいれる棚がある。その目の前には薄暗い浴室がある。
浴室入ってすぐ右に大きな浴槽がある。正方形で床下に掘った石造りの浴槽の横、幅50cmほどの縁を歩いて正面壁に設置されている脱衣棚に行く。浴槽と脱衣棚の間には仕切など一切ない。全員、素っ裸(全裸)で入浴。
廊下というか床には長椅子があり、全裸のオバサマが湯休みしている。タオルみたいなのを敷いて、床にベタッと座る人もいる。休憩しながら入らないと疲れる湯なのだ。風呂やたたずまいの雰囲気は、愛媛県松山市にある道後温泉本館に近い。
廊下→
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強酸性の温泉なので、コンクリートやタイルの浴槽は使えず、床と浴槽は《石造り》になっている。
女湯は、浴槽が1つだけ。8名くらい入れる広さ(正方形)。結構深い浴槽ゆえ、浴槽の底にはブロック石が沈めらていて、ここに腰掛けるように入浴する。
男湯は、浴槽が2つあるが、うち一つは人間の入浴限界を超えた温度(熱い)で、事実上、1つ、とのこと。地元のオジサンらは、風呂椅子を浴槽に沈めて入浴するらしい(※男湯情報は、オットの体験談によるもの)。
湯を口に含んでみると、強い酸味がある。やや緑かかった透んだ湯で、少し粘りがある。源泉の管や、浴槽の縁には《黄色い湯の花》がこびり付いている。湯はかなり熱い。いや、クソ熱い。推定43度くらい。酸が強いのか、肌がピリピリする。湯は山形県山形市にある蔵王温泉(酸性明礬緑礬泉)に似ている。石鹸は泡立たない。でもオバサマは意地で洗い続けていた。
根性を入れて入浴。でも5分間入れるのがやっと。ふらふら〜っと浴槽から出て、ぼぉ〜っ。思わず浴槽の縁に座り込む。低温火傷するで〜(という気分)。
さて、この浴室には色々な人がいる。湯の中で体操している人。。。縁に腰掛けて固まっている(瞑想と思われる)人。。。放心しながら立ちつくす人。。。手のひらで腹等をバッチンバッチン一心不乱に叩いている人。。。仰向け大股開きで(性器大開放)寝ている人。。。何やら叫んでいる人。。。日本の銭湯よりもずっとパワフル。
設備など老朽化しているし、上がり湯などないけど、日本の東北地方の秘境の湯治宿と似た感じで、情緒あり。
【立ち寄り湯】
無休、6:30〜21:00、大浴場70元・家族風呂100元
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2002年4月末@入浴
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2002年4月のレート:1 TWD(Taiwan Dollar)= 3.79 JPY
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