《India / Bhara》
制作風景 牛糞燃料は、牛糞に藁などを混ぜこねて円形に成形し、これを壁などに貼り付ける(円盤状になっている)。一週間ほど乾燥させれば完成する。出来上がった牛糞燃料は、瓦のように積んで保管する。匂いはほとんどしない。 牛糞燃料は意外なほど火力が強く一定しており、また長持ちする。 牛糞燃料は、牛が飼育されていて、かつ、木材や代替燃料の供給が難しい地域(チベット〜中央アジア〜アラビア半島〜西アフリカなど)でつくられている。火力を高めるため、人糞を混ぜる地域もある(例えばイエメンなど)。 ヒンドゥ教が成立する前までのヴェーダの時代には、牛は生け贄にされていた。だがヒンドゥ教が成立する頃には、牛は崇拝される対象となった。ヒンドゥ教では、雄牛(ナンディ)は「シヴァ神の象徴」とされている。雌牛は「豊饒の象徴」、「母性の象徴」とされている。 ヒンドゥ教の主要神であるクリシュナ神(ヴィシュヌ神の化身)は、かつて「牛飼い集団」の中で生育した、といわれる。そのため特にクリシュナ信仰者は、牛を、特に雌牛を崇拝の対象にしている。 特に雌牛の生乳、生乳から加工されてつくられるダヒ(ヨーグルトの一種)とギー(精製バター)、尿、糞は、「浄化するもの」として宗教的な儀式に使われている。仏教でも乳は、一目置かれている。 ※牛糞は、1/3を「牛糞燃料」に、1/6は堆肥として使われている。また家の外壁や壁に牛糞を塗り「防虫効果」を高めたりする。
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