《United Arab Emirates:ラス・アル・ハイマ首長国》

タイトル:ラクダ・レース
撮影場所:ラス・アル・ハイマ首長国

一周11km、楕円形のダート・コース

湾岸アラブ諸国では、背中に1つのコブをもつヒトコブラクダ Camelus Dromedarius を使った競駝が行われている。レースは、牡、牝、年齢別でが行われる。レース距離は5〜10km。ラクダレースは、冬(11〜3月)に不定期でおこなう。レースは国民的な人気があり、入賞したラクダのオーナーには多額の賞金や副賞を受け、何よりも「名誉」と考えるらしい。

ラクダを操る騎手は5〜6歳の子供。

U.A.E.では約3000人の騎手がいるが、約8割が南アジア出身の貧困層の子供とされる。かつてはアラブ人の子供が多かったが、危険を伴うこと、賃金が高いこと、体格が大柄ということで、小柄な南アジアの子供(特にパキスタン出身者)が活躍している。

軽量なほど有利だそうで、10歳くらいになると引退させられる。1993年、U.A.E.では子供の就労は禁止されているが、ラクダ・レースに関しては事実上、無視されている。

3〜4歳の頃、誘拐されたり、組織ぐるみでの人身売買されたりして湾岸アラブ諸国に連れてこられ、騎手となるべく教育を受ける子供もいる、という噂は絶えない。

国際世論の非難を受けて政府は、対策委員会を設けた(2005年5月)。これによれば今後は「16歳以下および体重45kg以下の者は騎手になれない」となる見込み。また「ロボット騎手」なるものの導入も検討中らしい。

※ロボット騎手 kamel;
k-team(スイス)が2004年頃から開発した。kamelは重さ27kg程度で、緩衝装置とGPSシステムが搭載されており、人間が遠隔操作を行う。カタールでは試走が行われており、2007年度の導入を目指している。

調教中

コブの後ろに座る(中腰)

待機中

安いラクダで3000ドル、上限なし


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