《Republic of Yemen / al-Jumhuriya al-Yamaniya》

ジャンビーア《アシーブ》
撮影場所:サナア旧市街

これは部族民が差す「アシーブ」

ジャンビーアは"アシーブ"と"トゥーザ"の2種類ある。
イエメンの部族民(カビーリー)は、腰にクルアーンの文句が刺繍された幅広のベルトを巻き、臍のあたりに先端が跳ね上がった「アシーブ」と呼ばれるジャンビーアを差す。

イスラーム法学者(カーディー)や預言者ムハマンドの子孫(サィイド)は、腰にクルアーンの文句が刺繍された幅広のベルトを巻き、臍のやや脇に先端のカーブが緩い「トゥーザ」と呼ばれるジャンビーアを差す。

ジャンビーアの鞘や刀の柄で家柄や富裕度が判るが、近年、強盗絡みの盗難も少なくない。高貴な家柄の出身者らは防犯のために、模造品やランク下のジャンビーアを差す、そうだ。

ジャンビーアの良品

・柄(ラース):東アフリカから輸入されたサイの角が最良品。牛の角製が多い。ティハマ地方〜ハドラマウト地方のジャンビーアは、銀細工で全て覆われていて、曲がる角度はほぼ直角「90度」である。

・鞘:2枚の木をあわせて上に皮を張る。この上に、イエメン系ユダヤ人が施した精密な銀細工を張り合わせたものが最良とされる。「アシーブ」は一般的には皮の上から緑色の細い革ひもを巻き付けたもの、が多い。「トゥーザ」は精密な銀細工のものが多い。

・刀:切れ味は二の次なので意味なし。

もっとも一般的な「アシーブ」

帯:厚紙に石膏を薄く塗って芯をつくる。クルアーンの文句、幾何学模様などを金や銀などの糸で総刺繍を施した皮を張る。ベルトが古くなると、総刺繍の皮だけを剥ぎ取り、新調した芯に貼り付けて使い続ける。


ジャンビーア「トゥーザ」






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