ベルギー王国
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Spa

温泉を意味する「スパ」の語源となった温泉

ピエール・ル・グラン源泉の室内
(飲むだけの温泉場)

Spa の由来:ラテン語のスパゲェレ(潤す)、この地域で使われるワロン語のエスパ(泉)。Spa は、山奥の長閑なクソ田舎にあるが、温泉は、神聖ローマ帝国時代の1326年に開発されている。

19世紀半ば、ドイツの Baden-Baden、チェコのKarlovy Vary と同様、Spaにはピョートル大帝(ロシア)、ビクトル・ユゴー(フランスの作家)もこの地に滞在したらしい。一時は上流階級御用達の高級社交場となったのだが、Spaを管理する実力者に「商才」がなかったのか、町は大発展にはいたらず、今はひなびた温泉街になっている。

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ピエール・ル・グラン源泉の外観
(飲むだけの温泉場、1880年建設)

ピエール・ル・グラン源泉の建物の入口を入ると、左側に飲泉所、右側に受付がある。建物の奥にはスパの歴史他を紹介する写真パネルもある。受付で「温泉飲みたい」と言うと、コップを渡される。1コップ/7ベルギーフランだが、何杯でも飲める。魚が逆さまになった形をした蛇口から温泉が流れている。この温泉をコップで受けて飲む。飲料治療はとてもポピュラー。

しかし、なんつ〜か、強烈な味と匂い。若干赤っぽいが透明。硫黄臭+金属臭が凄い。しかも結構塩っぽく、熱い。すんげ〜マズイ。

ピエール・ル・グランの裏に、噴水のような施設があり、ここの蛇口からは、まことに少ない水量で温泉が流れ出ている。これは無料なので、地元民っぽい人が厚手のペットボトルに湯を汲んでいた。コップさえ持っていれば、タダで飲める。

湧出する水はミネラル分を多く含む。飲泉効果も絶大とのことで、多くの人々が飲んでいる。

ここのスパから出る温泉を普通の感覚で飲める程度に加水したものを、ミネラルウォーター「SPA」として、世界的に販売している。アジアでは、タイ(バンコク)の伊勢丹で売っているのを見た。

スパの温泉は、ドイツやハンガリーなどと異なり、《普通の公衆浴場》なるもの(含むプール)はナイが、最近、Thermes de Spa は大改装して、大浴場、ジャグジー、サウナの施設を併設したらしい。ここの温泉は、あくまでも温泉療法が目的らしく、華やいだ雰囲気は皆無だった。

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Thermes de Spa
Thermes de Spa
http://www.thermesdespa.com/

入浴客=患者は湯治医の指示に従って、10日間以上宿泊しながら《朝から数種類の温泉療法》をしなければならない。湯治となると値段は仰け反りるほどに高額なため、この町で見かける客は、金持ちそうなジジぃ・ババぁがほとんど。

Thermes de Spa は唯一?の「立ち寄り湯」だが、(湯がキツイため)たった15分間しか入浴出来ない。※Thermes de Spa は大改装して、大浴場、ジャグジー、サウナの施設を併設したらしい。

Thermes de Spa は、19世紀に建てられたの荘厳な建築物で、温泉療養(鉱泉療法)施設。 炭酸泉や泥炭を使った本格的な療法を行うが、 旅行者用の一日美容コースもある。Thermes de Spa には大浴場はない。全て完全予約制の個室の浴場になっている。立ち寄り湯客は、「カルボカズー」と呼ばれるコースを申し込む。

受付の品のヨロシイおばさまに、英語っぽい言葉で「全裸になり、備え付けのガウンを羽織って、指定された浴室の前で待ってて」と言われる。指示に従って浴室の前で待っていると、浴室係のオバサンがやってくる。

銅製の浴槽やで

オバハンは、浴槽に湯を溜めながらタオル等用意する。湯の用意が出来ると「15分後に合図するから速やかに浴室から出てってね♪」といい、退出してながら外から鍵をかけやがる。げっ。

浴槽の湯は、リラックスするには実に良ろしい具合に調節されている。やや粘りのある湯は、若干赤っぽいが透明。硫黄臭+金属臭が凄い。炭酸泉のため肌に気泡がつく。

きっかり15分後に、先の係員がドアをノックし、至福の時間は終わった。もっとリラックスしてゆったり入りたいもんだ(寂)




■営業時間
Thermes de Spa
8:00〜15:30(12:00〜13:30は昼休み)、日曜は8:00〜12:00のみ、無休

15分間の入浴(カルボガズー)=650ベルギーフラン!
これが一番安い。。。。完全予約制のコース入浴が原則なので、個室がコース客に予約されていれば、立ち寄り湯だけの客は断られる。

最近、Thermes de Spa は大改装。大浴場、ジャグジー、サウナの施設を併設したらしい。

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温泉宿街

華やかさはありません。病院街みたい。
関係ないけど、道には犬のウンチが多かったです。


場所・行き方
首都ブリュッセルから東へ約130km、リエージェの南東、約35kmに位置する。スパは山の中の長閑な田舎。Spa 郊外にはF1や24 時間耐久ツーリングカーレース開催で有名なスパ・フランコルシャンがある。

ブリュッセルから特急列車ICで約90分、ヴェルビエール駅で乗換え、スパ方面行きのローカル列車(二両編成)に乗り(約20分)、終点のひとつ前のスパ駅下車。

日帰り温泉施設など
日帰り専用入浴施設はない。Thermes de Spa が日帰り客を受け入れる(個室)。飲泉は、ピエール・ル・グラン源泉とプリンス・デ・コンデ源泉で。※Thermes de Spa は大改装して、大浴場、ジャグジー、サウナの施設を併設したらしい。
泉質など
炭酸水素塩泉(炭酸鉄泉)?、源泉の温度は推定60度弱。飲泉可
ロケーション:★★
田舎にある鄙びた温泉町。観光客向けの華やかさは皆無で温泉治療が中心と割り切りしている。
お湯のかんじ:★★☆
強烈な硫黄臭+金属臭と味、若干赤っぽいが透明で結構塩っぽい。お湯は粘り気があり、肌に気泡がつく。
全体のかんじ:★★

設備は万全。めちゃゴージャスだが、値段がバカ高いのが難点。お気楽に入浴出来る公共浴場みたいのがあれば、更によし。貧乏人に厳しい温泉だった。




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1998年7月初@入浴
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1998年7月のレート:1 BEF(Belgian Franc)= 3.76 JPY


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